11月20日 錦秋文楽公演の話

季節外れの蒸し暑さですが、今日は花の金曜日です。
なぜって?それは、仕事終わってから文楽に行くからです!
ウキウキするねぇ~
さて、今日は文楽の話題になりますので、その前に。
週末はガトーショコラを作りますので、よろしかったら食べにいらしてください。

10カ月ぶりに大阪に帰ってきた錦秋文楽公演。
いつもは予定が合わなくて1人で楽しんでいるのですが、今回は久しぶりに友人と「文楽のゆかり」さんの会に参加いたしました。
ゆかりさんの会では、演目の解説と技芸員さんのお話があるのです!(なのにお代金はチケット代のみ。太っ腹!)
私は2部に参加しました。演目は「新版歌祭文」野崎村の段と「釣女(西宮神社が舞台の楽しい話)」
この野崎村というのが、もう、可哀そうな話でして・・・

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ポスターで鏡にお顔を映しているのが、主人公の「お光」。
愛称は「おみっちょ」で、病に伏せるお母さんの世話に一生懸命な、野崎村(多分、田舎)に住む女の子。
幼馴染で大好きだった「久松」と結婚することになり、浮かれて髪を結っている場面です。
ただ、久松は都会に丁稚奉公に出ていて、そこの大店のお嬢さん「お染」と密かに恋仲に。そのうえ、お染ちゃんのお腹には2人の赤ちゃんが・・・
登場するのは普通の人達。若い人は好きな人と一緒になりたいとささやかな願いを持っているだけ、親は子供の幸せを願っているだけ、それなのに。お光は最後は髪を切って尼に、久松とお染は心中してしまうのです。とにかく悲しくて、可哀そうなのです。
あ・・・熱く長々と書いてしまいました。

ゆかりさんの会では、野崎村の切場を務めておられる鶴澤燕三さんのお話を伺いました。
無口なイメージを持っていたのですが、お話が上手い!芸の道を極める人ならではの興味深いお話をたくさん伺えました。
そして、野崎村の最後は、どうしてこんな華やかな三味線なんだろう?私はずっと不思議だったので質問しました。
「(野崎村は)とにかく悲惨な話なので、このまま終わってお客様が引きずらないように、最後はうんと華やかな気持ちになって三味線を弾いています。」との事でした。そうなんですね・・・確かに滑稽な船頭さんも登場しますね。でも、私、良い野崎村を聞いた時には、最後の三味線を聞きながら涙がポロポロ出てしまうのです。今回も燕三さんと燕二郎さんのお三味線に涙がポロリ。ありがとうございました。
解説の鳥井さんによる「着物の色で登場人物のキャラクターや運命がわかる」というお話もなるほどな~と面白かったです。

ゆかりさん、ありがとうございました。
初春公演も、マスクしながらでも文楽を楽しめたらいいなぁ。
みなさまも、文楽、いかがでしょうか?何度か見ているうちにハマります!