4月文楽公演

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お店とは関係のない話題ですが・・・

4月2日より文楽公演が始まっております。
本日から後半日程、ポスターは摂州合邦辻にご出演の玉手御前、隠しきれない色香漂う20歳。
文楽のゆかりさん、いつも貴重なポスターをありがとうございます!

今回は1部が義経千本桜4段目、2部は摂州合邦辻、3部が嬢景清八嶋日記と契情倭荘子となっております。
私は3部とも観劇しましたが、それぞれに良かったです。

1部は大河ドラマにも登場している義経が後白河法皇に賜った「初音の鼓」をめぐるお話。
「伏見稲荷の段」「道行初音旅」「河連法眼館の段」
道行はなんども上演されていますが、今回は舞台の桜がいつも以上に満開で華やいでいました。
「河連法眼館の段」は初めて見たのですが、おとぎ話のよう。
親狐の皮が貼られた鼓を慕う子狐の想いが、親や兄に恵まれなかった義経の心を動かす場面が印象的でした。
狐を持って宙づりになる人間国宝が見られるのは文楽劇場だけ!
あとは、錦糸さんが三味線を弾き始めると、桜が咲き、鶯が鳴き、吉野山の遅い春が目の前に広がります。
「そんな~大げさな~」と思う方は、一度聞いてみてください。
ほんとに広がるんだから!(呂勢太夫さんと錦糸さんのコンビ、もっと聞いてみたい)

2部は「玉手御前は、俊徳丸に恋をしているのか?」で文楽ファンも盛り上がる?(盛り上がってないけど)摂州合邦辻。
私は、玉手御前は、お家のため、家族を守るための一心で、義息の俊徳丸へ恋を仕掛けたけれど、知らず知らずに本当に恋をしてしまったと思っています。だから、玉手の命をかけた必死の行動が切なくて悲しい。
観客だけではなくて、技芸員さんによっても解釈は違うそうで、そうだとすると、太夫さんは恋してる語りで、三味線弾きさんは恋をしてないと解釈して、人形遣いは・・・みんなバラバラだったらどうなるのだろう?

3部は、とにもかくにも玉男さんの遣う景清に圧倒される演目。
初めて見た時は、浄瑠璃も他の人形も全く耳にも目にも入らず、ただ景清を見て涙が止まらなかった記憶が。
今回は、ちょっと冷静になって見ることができたので、あらすじが入ってきました。
糸滝の父親を思う純粋な気持ちが、死にきれずに殺伐とした景清の心を動かすんですね。
(えっと、育て育てられたことのない親子間にあのような愛情が沸くのだろうか・・・?と冷めたご意見もありますが、それを言っては話が始まりませんので)

というわけで、ちょっとでもご興味もたれた方は、是非文楽劇場へいらしてください。
宝塚歌劇と違い、行きたい!と思ったら、チケットがすぐに手に入って見に行けるのが強みです~
(売れてないとも言いますが)