5月31日 文楽「妹背山女庭訓」

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5月も今日で終わりです。
大型連休も今月のこと?ずいぶんと前の話だった気がします。
あっという間のような、長かったような・・・毎月のことですが。

え~っ、5月最後ということで、5月の総括をということで、
ご興味のない方には申し訳ないのですが、(本当にごめんなさい)
文楽「妹背山女庭訓(いもせやまおんなていきん)」通し公演がありまして、
初日過ぎと千秋楽を観てきました。
朝の10時半から夜の21時まで、演者の方はもちろん、見る方もなかなかに大変なのですが、
それはそれは、大きな物語のうねりに飲み込まれたのでした。

いやぁ、山の段はすごかった!
・・・書き出すと止まりませんので、控えめにするよう努めますが、
千歳太夫さんには圧倒されました。涙と震えが止まらなかった。
3回聴きましたが、3回とも凄まじい熱量と覚悟の千歳さん、あれを聴いて響かない人はいないですね。
他の太夫さんもお三味線も全開(清冶さんと富助さんの重なり合う三味線!)とにかく凄い。

人形では、簑紫郎さんの雛鳥が憂いを湛えた美しさ。とりわけ千秋楽の美しさは印象的でした。
そして後半の蓑助さんに代わってからの雛鳥の可憐さといじらしさ!別次元、別世界。
簑助さんの人形って、泣くんですよね。泣いてるよう・・・ではなくて泣くのです。
簑助さんの雛鳥を見ることができて良かった・・・しみじみといたしました。
あとは、雛鳥の首を打ち落とす定高の壮絶な気合いと、
雛鳥と久我之助の首を両脇に抱えて極まる大判事・・・

もう何があっても、文楽を好きでいようと思いました。
何もないですけど。
何かあったら困りますけど。

国立劇場「妹背山女庭訓」 ←あらすじはこちら!

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山の段が傑出しているのですが、朝から晩まで、どこをとっても素晴らしかった。
書きたいことがありすぎて・・・

山の段が終わって、放心状態のところに、もう一盛り上がり。
写真はキャラ立ち№1のお三輪ちゃんと、№2の鱶七(ふかしち)の御両人・・・
いやぁ~11時間の締めが、玉志さんの鱶七ですからね~
もう、腰が折れたってお尻が割れたって最後まで見ますよ~
玉志さんは、初日過ぎに比べて千秋楽はバージョンアップされており、
野放図で大胆者、でも優しい心根もある鱶七の造形も良く、
豪快ですっきりとした動き、立役の型がバシッ!と気持ちよく決まってました。
とってもかっこよかった・・・もう1回見たい・・・ほんとかっこよかった。
玉志さんって、いいですよね・・・

お三輪ちゃんは可哀そうすぎて・・・
そうそう、杉酒屋で津駒さんの語りにのせて、
お三輪ちゃんがほおずきをクルクルしながら登場するところ、とっても可愛かった!
山の段の余韻も忘れ、またグイっと引き込まれました。
勘十郎さんの突き抜けた感じが、「恋する暴走娘」お三輪ちゃんにぴったり。

あと、芝六さん、あれ子供殺さなくてもいいんじゃないかな~
そもそも、淡海(求馬)が悪い!気に入らない!
芝六一家もお三輪ちゃんの悲劇も淡海のせい!
ちょっと男前で藤原鎌足の息子だからって、調子乗ってるわ~自分で鹿殺せ~二股かけるな~

あっ、もういいですよね。は~い。

もともと肌の調子が悪かったところに、疲れと泣きすぎで?顔がお岩さんのように腫れてしまい・・・
それでもお岩さんのままで文楽を見続けた5月。
妹に会ったらビックリされて「さっさと帰って病院に行け!」と言われました。
そんなこんな5月が終わります。

お店のブログなのに、文楽の話書き散らしてごめんなさい。
明日からはお店のブログです!